辛坊氏「疲れた。休みてぇ」で太平洋横断

元読売テレビ解説委員長でフリーキャスターの辛坊治郎氏（５６）が１３日、東京・新宿の吉本興業本社で、全盲のセーラー・岩本光弘さん（４６）と記者会見し、小型ヨットで太平洋横断する「ブラインドセーリング」に挑戦すると発表した。

　今回の挑戦にあたり、昨年１１月に人間ドックを受けたところ、十二指腸にがんが見つかり、内視鏡での摘出手術を受けた辛坊氏。その後、転移がないかＣＴスキャンで検査したところ、「若干肺に影がある、と医師に言われた」ことを告白。４月に改めてＣＴを撮り直すことを明かした。

　医師からは「多分大丈夫だろう」と言われているそうで、「これでアウトだったらどうなるのかな、と懸念材料なんですが」と笑い飛ばした。

　辛坊氏と岩本さんは、６月１６日に福島を出発し、米サンディエゴを目指す。到着は８月１０日を予定しており、航海日数は５５日間を想定している。

　全盲のセーラーを含めた２人が太平洋横断に挑戦するのは、世界で初めてとみられる。

　辛坊氏が今回の挑戦について、話を受けたのは昨年６月。２０１０年９月いっぱいで読売テレビを退社していた辛坊氏は「そろそろ疲れたな、どっかで休みてぇな、と思っていたころに、この話が来て。これだったら、休むには絶好の理由だな、と（話に）乗っかったようなもので（笑）」と笑顔で明かした。

　岩本さんはサンディエゴ在住の鍼灸師（しんきゅうし）で、国内外の視覚障害者のヨットレースで活躍。辛坊氏は、早稲田大学在学中、同好会でヨットセーリングを始めたという。