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門田隆将氏の著書、出版差し止め判決…東京地裁

 1985年の日航機墜落事故で手記を出版した遺族が、作家の門田隆将氏の著書で著作権を侵害されたとして、門田氏と出版元の集英社に出版差し止めなどを求めた訴訟で、東京地裁(高野輝久裁判長)は14日、著作権侵害を認め、出版差し止めと書籍の廃棄、約58万円の損害賠償の支払いを命じる判決を言い渡した。

 問題となったのは、門田氏が複数の遺族を取材し、2010年に出版した「風にそよぐ墓標」。この中の記述が、事故で夫を亡くした池田知加恵さん(80)(大阪府)が96年に出版した「雪解けの尾根」の表現と酷似していると指摘された。

 門田氏側は記述が似ている点は認め、「原告から手記を贈られ、記述を引き写す許諾を得た」と主張したが、判決は「原告は正確な記述のため手記を用いるよう求めたが、引き写しまでは許していない」と退け、原告側が指摘した26か所のうち17か所で著作権侵害を認めた。

 出版差し止めと廃棄については仮執行宣言は付かず、判決確定まで書店などから撤去されない。

 門田氏は「原告を取材し、手記は参考文献と明記した。それでも著作権侵害というなら、ノンフィクションは成り立たない」とコメント。判決を不服として控訴した。